定常音源解析について

■ 定常音源解析について
 
 市販のソフトウェアで FLUENT と STAR-CD には,定常音源解析機能という
 ものが組み込まれています.
 
 これは,なにか?
 
 簡単に言うと...
 
 k−εなどによる定常流れ解析結果から,流れ中あるいは壁面での音源の
 大きさを評価する機能
 
 です.
 実際の音圧レベルを予測するものではなく,
 
 大雑把に音源が大きそうか?小さそうか?
 
 を予測するものと理解したほうが間違いがないと思われます.
 
 主に FLUENT に組み込まれている3種類の手法を概観しましょう.
 
 (なお,FLUENTでは広帯域騒音源モデルと表現しています)
 
 ● Proudmanの式
 
 ● 境界層騒音モデル

 ● Lilleyの式(の音源項)
     
 
 なお,Lilleyの式は STAR-CD にも組み込まれていますね.
 

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空力騒音を解析するCFDソフト

■ 空力騒音を解析するCFDソフト
 
   市販されているCFDソフトで,空力騒音の解析機能を有するものを
 紹介します.
 
FLUENT http://www.fluent.co.jp/
定常音源解析機能,Ffowcs Williams-Hawkings(FW-H)による騒音計算機能,FFT計算機能,SYSNOISEとの連携機能

STAR-CDhttp://www.cdaj.co.jp/
定常音源解析機能,SYSNOISEとの連携機能

PAM-FLOWhttp://www.esi.co.jp/
Reyon との連携機能

FrontFlow http://www.advancesoft.jp/
Lighthill-curlの式,Ffowcs Williams and Hawkings(FW-H)の式,FFT計算機能

PowerFLOW http://www.exa.com/
非定常解析による直接の音圧予測

RADIOSS http://www.mecalog.co.jp/
非定常解析による直接の音圧予測,FFT計算機能

2005年11月時点の各社HPで空力騒音解析機能有りを確認できたソフトです.


  

空力騒音を解析する方法(3)【SYSNOISEの問題】

■ 空力騒音を解析する方法(3)【SYSNOISEの問題】
 
 空力騒音を解析する方法として,一昨年ごろから市販されているものに
 SYSNOISE があります.
 
 ■空力騒音を解析する方法(2)
 
 でも説明していますね.SYSNOSIE を利用するメリットはそちらをご覧下さい.
 
 ここでは,SYSNOISE を利用する場合の問題について概説しましょう.
 
 (これを理解するためには,正の音源・負の音源,そして,周波数分析
  について,ある程度理解している必要があります.そちらもご覧下さい.)
  
 
 『SYSNOISE では,CFD解析結果から空力騒音源を取り出し音の伝播解析を実施
  します.』

 
 っと宣伝しています.このことを少し具体的に説明しましょう.,
 
 1.LESなどの非定常CFD解析結果から,次のデータを出力します.
   
   ・音源であろうと思われる壁面の圧力変動データ
   ・音源であろうと思われる空間の速度変動データ
   
 
 2.1で得たデータを SYSNOISE に入力します.
 
   このデータを SYSYNOISE で分析し,伝播解析が可能となります.
   
 
 以上のように書くと,とても便利なように思えます.恐らくはその期待を
 裏切らないケースが多くあるだろうと思います.
 
 ところが.....


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周波数分析とは

■周波数分析とは
 
 騒音はマイクで測定します.測定した後は,周波数分析器(FTT)で分析す
 ることが一般的です.
 
 したがって,流体騒音解析においても計算結果の音圧を周波数分析する必要
 があります.これができないと計算結果の検証もできないことになります.
 
 ということで,今回は周波数分析について勉強しましょう!(^-^)
 
 
 周波数分析とは,あらゆる時系列の信号を様々な周期・振幅のサイン波信
 号に分解することです.
 
 世の中の現象は,いろんなセンサーで測定しますよね.
 例えば,歪は歪ゲージ,圧力は圧力センサ,音はマイクロフォン,等々.
 
 それらのセンサーは測定値を電気信号(電圧の変化や電流の変化)として
 出力します.
 
 それらの信号は図にするとこんな感じです.
  singou.gif

 こういう信号を大小様々なスケールのサイン波信号に分解できます.
 (逆にいえば,サイン波信号で近似できるということです.)
 それがフーリエ解析であり,それを素早く実行する方法がFFT
 
 ast ourie ransfomation
 
 です.その機能を簡便に提供してくれるのが小野測器などから販売されてい
 るFFTアナライザー(周波数分析器)になります.
 
 一つの信号は,大きさと時間という情報が持っています.これをFFTで分
 析すると,
 
     周波数スペクトル図(横軸が周波数,縦軸が大きさ)
     位相スペクトル図(横軸が周波数,縦軸が位相)
 
 が得られます.
 
 周波数スペクトルが大きさの情報,位相スペクトルが時間情報となります.
 
 周波数スペクトルは,各周波数ごとの大きさ(振幅の大きさやエネルギーの
 大きさ)を表しています.
 
 位相スペクトルは,各周波数ごとの位相(−180度〜+180度)を表していますが,基準は1次成分をゼロとして位相差として求められます.
 
 通常,定常的に発生する騒音の場合,位相スペクトルはあまり気にしません.
 
 エンジン騒音など騒音源がはっきりしている場合は,位相スペクトルつまり
 エンジン回転を基準にした時間情報も有効になってきます.
 
 「この音はエンジン回転に対して,○○度位相がずれている」...とかね.
 
 FFTについて詳しく知りたい方は,以下の小野測器のページで勉強してく
 ださいね.
 http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/analyzer/index.htm

 
 
 さて,音源には正の音源と負の音源があると説明しましたね.
 
   正の音源・負の音源 http://kurikisouon.blog7.fc2.com/blog-entry-34.html 
 
 絶対値が同じ大きさの”正の音源と負の音源”はそれぞれ何が違うでしょうか?
 

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正の音源・負の音源

■ 正の音源・負の音源
 
 ■音を誘起する渦
 ■渦が圧力変動を引き起こす
 
 などを通して,渦が空力音を引き起こすことを説明してきました.
 
 さて,  渦?
 
 お風呂の栓を抜いたとき,北半球と南半球では発生する渦の回転が逆になる?
 とか聞いたこと,ありませんか?
 
 コリオリの力によって〜うんぬん〜...結局,風呂桶の形などの影響の方
 が大きくて,回転はそれによって変わるというのが真実らしいのですが...
 
 
 さて,渦には回転方向があることを思い出して頂けましたね!二次元で考え
 るとわかりやすいので,ここから二次元で考えましょう!
 
 さぁ,この図を見てください.cyl2D15-vor2.jpg
円柱後方に発生する乱流渦です.この図はLES解析結果です.
 赤い渦は左回転,青い渦は右回転です.
 
 流体力学では,左回転を正,右回転を負と定義しています.
 
 定義なので,つまりはルールです.
 こういうルールに”何故だ?”と言ってもダメです.((((((^_^;)
 
 それぞれの渦が.....
 
 

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空力騒音を解析する方法(2)

■空力騒音を解析する方法(2)
  
 前回(空力騒音を解析する一般的方法)の続きです.
 
 前回は CFD+Lighthill-Curle による方法を説明しました.
 
 この方法で計算できる市販ソフトウェアを紹介しましょう.
 
   【空力騒音を解析するCFDソフト】
 
       FLUENT, FrontFlow
 
 SCRYU/Tetra にも LES解析機能と騒音解析機能(予定Lighthill-curle)が
 追加になるそうです.
 秋のバージョンアップにて実装予定とのことでした.
 
 ▼注意点▲それぞれのソフトは機能を提供するだけです.
      精度を保証するものではありませんので,ご注意ください._(‥ )フーン
 
 -----------------------
 
 さて,空力騒音を解析するもう一つの方法を紹介しましょう.
 
 ”CFD+音響解析”による方法です.
 
 音響解析ソフトは,RAYON,ABAQUS,WANON,
 SYSYNOISE と幾つかあります.
 
 どのソフトでも音源の粒子速度を入力データとして与えることができれば,
 音響解析を実施することができます.
 
 音源の粒子速度?...つまり,音波のみによる媒質粒子の速度です.
 
 それは,,,いや,,,測定できないでしょう!?・・・という値です.
 
 CFDで得られる計算結果は”流れの速度+音波による速度”,
 つまり合計の値で,それらを分離することは難しいのです.
 
 構造振動系の音響解析の場合は,音源となっている物体表面の振動速度を
 測定し音源の粒子速度として与えます.
 
 
 それではCFDの結果から空力騒音解析をする場合は?
 
 音源となるであろう表面の速度(CFD計算結果)を音響解析ソフトの
 入力データとして渡せばいいんです.
 
 まっ,粒子速度と同等でしょう!という仮定をしていることになります.
 
 
 長くなりましたが,そのようなデータの引渡しを備えているソフト,
 
 つまり,”CFD+音響解析”がすぐに実現できる市販ソフトは,
 
 SYSNOISE
 
 です.現在,
 
 【STAR−CD】+【SYSNOISE】
 
 【FLUENT】+【SYSNOISE】
 
 が利用可能です.音響解析によるメリットは,反射・回折なども考慮できる
 ということです.
 
 つまり,音場の中に壁がある場合,その壁での反射・透過・回折などが考慮
 できるという点です.
 
 また,音場の音圧分布を一目でわかるようにコンター図を描くこともできます.
 
 
 まとめますと,空力騒音を解析計算で求める方法は
 
 CFD+Lighthill-Curle による方法
 
     FLUENT,STAR−CD 

 CFD+音響解析による方法
 
     STAR−CD+SYSNOISE
     FLUENT+SYSNOISE
 
 があります.
 
 
 ...で,SYSNOISEを使うデメリットはないのでしょうか?
 
 ふっふっふ,それは次回にお話しします.(-_☆)キラリ
 
 
  

円柱の解析例紹介

■ 円柱の解析例紹介

 3次元円柱の解析例を紹介します.
 直径10mm,スパン方向長さ20mm,流速15m/s です.
 
 LESでの非定常解析結果です.メッシュ総数は約55万点.
 k-εモデルで定常解析後LES解析を実施.LES解析では合計16000回
 の計算を実施.
 
 計算日数は約5日間.CPUはItanium2×1CPUです.
cyl3D.jpg

 円柱表面は圧力変動のrms値を表示.
 底面には渦度分布を表示.
 スパン方向の縦面には,流速分布を表示しています.
 
 どうですか?こんな簡単な円柱と言う形状でも後流は複雑でしょ?
 後流の構造は全く2次元的ではなくて,3次元的ですよね.
 
 
 これは騒音解析をしているんですが,St数が合いません.
 結果はSt=0.15くらいです.
 
 同じ円柱の2次元解析でメッシュ形状の影響があることがわかっていますので,
 次回はメッシュを作り変えて,再度3次元解析をしてみます.
 
 (実は,あるソフトの精度チェックをしているところです.秘密です.m(__)m)
 
  

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