流れのシミュレーション

■ 流れのシミュレーション

 CFDという言葉を聞いたことはありますよね?
 Computational Fluid Dynamics の頭文字です.
 数値流体力学と訳されます.

 工業界においては,CFD=流体解析という意味で使用されています.
 我々が日常扱う流れは,ほとんどが乱流です.
 したがって,CFDとは結局,乱流のシミュレーションを意味しています.

 その根本的な手法について,簡単にまとめてみましょう.

   DNS ( Direct Numerical Simulation )
     流体の運動方程式ナビア・ストークス式を直接的に計算する方法.
     非常に多くのメモリを必要とし,現在のスーパーコンピューター
     でも簡単な流れ場や Re 数の低い流れ場にしか適用されていない.

   LES ( Large Eddy Simulation )
     DNS 程ではないが,相当なコンピューター資源を必要とする.
     ナビア・ストークス式の空間的平均化により大きな渦だけを直接計算し
     小さな渦はモデル式で計算する.

   k-ε乱流モデル
     工業的に最も利用されている方法.ナビア・ストークス式を時間と
     空間で平均化して,平均量と変動量に分けて計算する.
     このとき,変動量はモデル化された式を計算する.
     モデル式の中の未知定数は実験的に決定されている.

     なお,kは乱流エネルギー,εは乱流エネルギーの散逸率を意味している.


 とまぁ,こういうことになります.
 通常,私達は市販されているCFDソフトウェアを使って計算します.

 しかし,ただ使うのではなく,現象と計算にまたがる正しい流体の知識を
 持って使う必要があるでしょう.

 そうしないと,間違った計算をして,間違った計算結果を信用してしまう
 ことになりかねません.

 なお,最近のコンピュータ技術の発達は目覚しく,PCクラスタなどを利用
 すれば,LES計算が日常的に可能な状況になってきました.

 私はと言えば,やはりk−εで計算することがほとんどですが,
 限定的で2次元的な流れ場を対象として,LES計算を実験的
 に行っております.

 本来なら2次元のLESというのもあり得ないんですが,実際のデータと
 検証を進めながら,精度の良い方法を模索しているという状況です.


 今後,空力騒音の解析に向けて記事を進めていきます.
  

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