平板間の気柱振動?
勝手にコンサル(3)
■ 出典:http://www.agb.co.jp/kaze/aero/metal/
(旭硝子ビルウォール株式会社)
【メタルルーバー】
「商品説明の抜粋」--------------------------------------------------
一般的にルーバーの風切音は、フレームの間を流れる風の圧力変動のメカニ
ズムによって生じた渦励振動となって平板間に形成される気柱振動を共鳴機
構として、ひとつのフィードバックループを構成し、発生するものです。発
生する周波数は高くて大きな音になります。
風切音の発生を防ぐには、フレームを球形にして風の流れをスムーズにすると
いう方法があります。しかしそれでは高周波域の音は減るものの、逆にカルマ
ン渦の発生により、物体の固有振動数と一致すると共振を起こし大きな振動や
騒音の原因になります。
旭硝子ビルウォールではこうした点を踏まえ、風洞実験をくり返した結果、風
切音・カルマン渦の解消に独特のT字型フレームを採用。
高・低周波いづれの音域でも優れた性能を備えたルーバー形状を開発いたしま
した。
--------------------------------------------------------------------
■ アドバイス
初めに,述べておきます.”T字型フレームが騒音低減に効果がある”
という説明は否定しません.私の知っている知識・技術・経験から考
えても効果はあると推測できます.
しかし,音の発生メカニズム等専門的な説明は,??怪しい_(^^;)ゞ
です.
先ず,”フレームの間を流れる風の圧力変動のメカニズムによって生じた
渦励振動” の部分です.”風の圧力変動のメカニズム”とは何でしょう?
もともと大気は,変動しています.大気の地上付近は,大気乱流境界層と
呼ばれており,巨視的に見れば,十分乱れているのです.
さらに,”〜のメカニズムによって生じた渦励振動”(?_?)
百歩譲って,何らかのメカニズムによって渦が発生しそれが起振力となって
振動が発生した,と言っているのでしょう....
(渦励振動という表現は,初めて聞きました.そういうのでしょうか?)
そして,つまり,平板間の気柱共鳴によって大きな音が発生している,と
説明しています.HPに記載の図面からルーバ間の距離を見ると,130mm以上
はあるようです.とすると,そこの1次気柱共鳴周波数は約1308Hz以下と
なります.2次はその倍の周波数となります.
ということは,一般にこのルーバーからの発生音が,1KHz前後の周波数のみ
の発生音であれば,気柱共鳴という説明は「まぁ正しかろう」となるわけです.
確認する方法は簡単で,ルーバー間の距離を変更すれば,それに応じて発生
音の周波数も変わらなければなりません. また,発生音の周波数に流速依存性
があるかどうかも調べる必要があります.
しかしながら,ルーバー間の高さ方向は130mm位でしょうが,横方向には1m
以上の空間のはずです.そこに気柱共鳴が発生するというのは,経験上から
考えても,ありえないでしょう.
恐らく,これまでの一般的ルーバーの形状が単純な平板でしょうから,
『後縁からはく離した渦列が音を発生させている』のでしょう.
(詳しくは離散周波数騒音関連の参考文献に記載されています.
私も研究しました,(*^_^*))
さて次に,”風切音の発生を防ぐには、フレームを球形にして”とあります.
ここの正しい表現は”フレームを円柱状にして”となります.
(あげ足取りですいません.正確な表現を使ってください.)
最終的に,風洞実験を繰り返してT字型フレームを採用して発生音を低減した,
とあります.風が入る方を頭にしてT字型にしてあるようです.
この形状だと,一定周波数の騒音は発生しないでしょうね.しかも,角部は
丸めて ありますし...
一般に段差が大きくなると,はく離が大きくなりますから, 騒音はうるさく
なります.ただし,一定周波数のピーキーな音はなく,広帯域の騒音レベルが
大きくなるという印象の音です.
発生メカニズムが後縁からのはく離による騒音...であれば,わざわざT字
型にするまでもなく,角を丸めるだけでも,音は減ります.
さらにいえば,この手の音は境界層を操作すると変化することも分かっていま
すので,他にも対策手法は色々考えることができるはずです.
旭硝子ビルウォール株式会社さんのように一生懸命空力音の低減を研究している
方たちがいらっしゃいます.
しかし,専門知識が少ないため不毛な努力をしている,あるいは,対策方法は
見つかったけど理由がわからない,等々様々なご苦労があると思います.
がんばって頂きたいと思います.以上,お役に立てれば幸いです.
■ 出典:http://www.agb.co.jp/kaze/aero/metal/
(旭硝子ビルウォール株式会社)
【メタルルーバー】
「商品説明の抜粋」--------------------------------------------------
一般的にルーバーの風切音は、フレームの間を流れる風の圧力変動のメカニ
ズムによって生じた渦励振動となって平板間に形成される気柱振動を共鳴機
構として、ひとつのフィードバックループを構成し、発生するものです。発
生する周波数は高くて大きな音になります。
風切音の発生を防ぐには、フレームを球形にして風の流れをスムーズにすると
いう方法があります。しかしそれでは高周波域の音は減るものの、逆にカルマ
ン渦の発生により、物体の固有振動数と一致すると共振を起こし大きな振動や
騒音の原因になります。
旭硝子ビルウォールではこうした点を踏まえ、風洞実験をくり返した結果、風
切音・カルマン渦の解消に独特のT字型フレームを採用。
高・低周波いづれの音域でも優れた性能を備えたルーバー形状を開発いたしま
した。
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■ アドバイス
初めに,述べておきます.”T字型フレームが騒音低減に効果がある”
という説明は否定しません.私の知っている知識・技術・経験から考
えても効果はあると推測できます.
しかし,音の発生メカニズム等専門的な説明は,??怪しい_(^^;)ゞ
です.
先ず,”フレームの間を流れる風の圧力変動のメカニズムによって生じた
渦励振動” の部分です.”風の圧力変動のメカニズム”とは何でしょう?
もともと大気は,変動しています.大気の地上付近は,大気乱流境界層と
呼ばれており,巨視的に見れば,十分乱れているのです.
さらに,”〜のメカニズムによって生じた渦励振動”(?_?)
百歩譲って,何らかのメカニズムによって渦が発生しそれが起振力となって
振動が発生した,と言っているのでしょう....
(渦励振動という表現は,初めて聞きました.そういうのでしょうか?)
そして,つまり,平板間の気柱共鳴によって大きな音が発生している,と
説明しています.HPに記載の図面からルーバ間の距離を見ると,130mm以上
はあるようです.とすると,そこの1次気柱共鳴周波数は約1308Hz以下と
なります.2次はその倍の周波数となります.
ということは,一般にこのルーバーからの発生音が,1KHz前後の周波数のみ
の発生音であれば,気柱共鳴という説明は「まぁ正しかろう」となるわけです.
確認する方法は簡単で,ルーバー間の距離を変更すれば,それに応じて発生
音の周波数も変わらなければなりません. また,発生音の周波数に流速依存性
があるかどうかも調べる必要があります.
しかしながら,ルーバー間の高さ方向は130mm位でしょうが,横方向には1m
以上の空間のはずです.そこに気柱共鳴が発生するというのは,経験上から
考えても,ありえないでしょう.
恐らく,これまでの一般的ルーバーの形状が単純な平板でしょうから,
『後縁からはく離した渦列が音を発生させている』のでしょう.
(詳しくは離散周波数騒音関連の参考文献に記載されています.
私も研究しました,(*^_^*))
さて次に,”風切音の発生を防ぐには、フレームを球形にして”とあります.
ここの正しい表現は”フレームを円柱状にして”となります.
(あげ足取りですいません.正確な表現を使ってください.)
最終的に,風洞実験を繰り返してT字型フレームを採用して発生音を低減した,
とあります.風が入る方を頭にしてT字型にしてあるようです.
この形状だと,一定周波数の騒音は発生しないでしょうね.しかも,角部は
丸めて ありますし...
一般に段差が大きくなると,はく離が大きくなりますから, 騒音はうるさく
なります.ただし,一定周波数のピーキーな音はなく,広帯域の騒音レベルが
大きくなるという印象の音です.
発生メカニズムが後縁からのはく離による騒音...であれば,わざわざT字
型にするまでもなく,角を丸めるだけでも,音は減ります.
さらにいえば,この手の音は境界層を操作すると変化することも分かっていま
すので,他にも対策手法は色々考えることができるはずです.
旭硝子ビルウォール株式会社さんのように一生懸命空力音の低減を研究している
方たちがいらっしゃいます.
しかし,専門知識が少ないため不毛な努力をしている,あるいは,対策方法は
見つかったけど理由がわからない,等々様々なご苦労があると思います.
がんばって頂きたいと思います.以上,お役に立てれば幸いです.
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Re: 渦自体が音源?
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こんにちは,磯野です.コメントに気づくのがすっかり遅れてしまいました.
大変申し訳ございません.(迷惑コメントに紛れていたようで・・・)
そこで,下記のご質問に詳しくお答えしたいと思います.
まず,ご理解されている音の発生メカニズムは正しいです.
発生メカニズムの工程を分解して考えると
1.渦の発生
2.圧力変動の発生
3.圧力変動の伝播
となります.私たちがどうやって音を聞くかというと・・・
私たちの耳の中の鼓膜が音圧を感じて,そして初めて「音」を認識できますよね.
ポイントは上記の 2.圧力変動の発生です.
この発生の仕方によって,音の発生メカニズムは複数のパターンがあります.
金井さんが書いた
> 剥離(渦が小さい)→渦が成長→物体に当たる→特定の周波数の音が発生と
がひとつのパターンです.物体にあたったときに圧力変動が生まれます.
ですから,渦が物体にあたらないようにすると音が減ります.つまり,再付着など
を防げばよい・・・ということになります.
正確にいうと,金井さんの書いたパターン「特定の周波数の音」が発生するためには
空間共鳴やフィードバックによる共鳴といった二次的な作用が働いていることに
なります.二次的な作用がない場合は,特徴のない白色ノイズのような騒音と
なります.
次のパターン.
後縁などからはく離した渦が,後縁自体にフィードバックして圧力変動を発生させる
パターンがあります.これは,少し複雑なメカニズムです.はく離の瞬間に後縁に
圧力変動が生まれます.さらに,離れていった渦(時間的に前の渦)がフィードバック
して後縁に圧力変動を発生させます.その両方の合計の効果で音が発生するものです.
この場合,物体の後縁付近が音源となります.(空間ではありません)
さらに,次のパターン.
これは,渦が非常に強い場合.一般的にマッハ数0.3以上と言われていますが,
この場合,渦自体が圧力変動を発生させる場合があります.つまり,渦が直接的な
音源です.例えば,ジェット騒音と呼ばれるロケットなどの騒音です.
などなどです.以上ご参考になれば幸いです.
> こんにちは。
>
> 磯野さんの著書 「空力騒音入門」を読ませていただきまして、
> 音の発生メカニズムは
> 剥離(渦が小さい)→渦が成長→物体に当たる→特定の周波数の音が発生と
> 自分なりに解釈して読んでいたのですが
> 改めて、この勝手にコンサル(3) を読んでいると
> 『後縁からはく離した渦列が音を発生させている』といわれています。
> つまり、空気中に放出された渦自体が音源となっているということなのでしょうか?
>
> あまりにも素人的な質問で申し訳ございません。
>
> 「T字フレームは、渦の再付着を防ぐから騒音が減ると」人づてに説明を
> 聞いたことがあるので疑問に思いまして(^^;
>
> お忙しいところ誠に申し訳ございませんが 教えていただけますと幸いです。
> よろしくお願いいたします。