k-ε乱流モデルを理解する

■ k-ε乱流モデルを理解する
 
 以前の記事 流れのシミュレーション では
 k-ε乱流モデルを
 
    工業的に最も利用されている方法.ナビア・ストークス式を
    時間と空間で平均化して,平均量と変動量に分けて計算する.
    
    このとき,変動量はモデル化された式を計算する.
    モデル式の中の未知定数は実験的に決定されている.
 
 と説明しました.
 
 これは,どういうことか?というと...
 
 ナビア・ストークスの式は,流体の運動方程式であり通常の流れは
 全てこの式で表現されます.
 
 つまり,このナビア・ストークスの式を解く事ができれば,今ある流れが
 次はどうなるのか? までわかってしまうのです.
 
    ナビア・ストークスの式は,非圧縮,外力項を省略すると
 n-s.gif

    となります.
    
 しかしながら,ナビア・ストークスの式は解けたらノーベル賞!と
 言われるほどで,つまりは解けないのです.
 
 そこで,コンピュータを使って数値解析で解いてしまおう!と考えた人
 が居たんです.
 
 それで開発されたのが,k−ε乱流モデル式と言われているものです.
 
 Launder and Spalding さんがk−ε乱流モデルの開発者で,熱力学を
 専門とする先生だと伺いました.
 
 k−ε乱流モデルを簡単に説明すると,
 
    ナビア・ストークスの式を理論的に変形して,
    計算できる部分と計算できない部分に分けます.
    
    そして,計算できない部分の未知数を実験的に決めて
    計算できるようにしてしまったものです.
    
    k−ε乱流モデル式も書くのが大変なので書きません.
    過去に導入したことがありますが,大変でした.
 
 このとき,計算できない部分をkとεでモデル化したため,
 k−ε乱流モデルといいます.
     
    k:乱流エネルギー,ε:乱流エネルギーの散逸率
 
 さて,このk−ε乱流モデルには5個の未知数があります.
 
 そして,その未知数は等方性乱流(金網の後ろのような一様な乱流)
 に対して決定された値が使用されています.
 
 つまり,k−ε乱流モデルは元来,複雑な乱流場を表現できるよう
 にはできていないのです.
 
 ですから,自動車の後流のような大きなはく離を伴う流れでは,
 結果が合わない...とよく言われるわけです.
 
 
 しかし,現実に普段使っていると,おおまかな流れの様子は合って
 しまいます.
 
 そこが,怖いところなんです.
 
 ですから,常に検証を行いながら使っていくのが良いと思います.
 我々も初めは,何らかの形で精度検証を行ってから利用しています.
 
 

 補足:
 
   1)k−ε乱流モデルを詳しく知りたいという方,CFDソフト
     各ベンダーさんがセミナーを開いていることがよくあります.
     各社のHPでご確認下さい.
     
   2)現在,k−ε乱流モデルにも色々な種類があります.
     主に精度向上を狙って改良がなされてきたわけですが,
     それらをまとめて,RANSと称します.
     
     Reynolds Averaging Navier Stokes の頭文字です.
  

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